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南津海は、温州みかんに似ていますが、温州みかんの一種ではありません。「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」を交配して生まれた西洋風のみかんです。 カラ(カラマンダリン)は甘みも酸味も濃厚な柑橘です。また、ポンカンは甘さがあり酸味が控えめ、と言うどなたにも食べやすい人気の柑橘です。その交配でできた南津海は、強い甘みと酸味のある、それでいて後味はすっきりとキレのあるみかんとなりました。 |
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南津海の収穫は、当地では毎年4月後半頃に行われますが、一足先にサンプルを生産者さんから頂きました。 試食してみると、案の定ですが、3月の南津海は実に酸っぱい!早速糖度を計測してみると、意外にも14度を超える高糖度でした。別の南津海を測ってると今度は15度を越えています。
南津海は、糖度も高いですが酸味もある品種です。しかし4月も後半になれば酸味が下がり、気温上昇もあって食べると美味しく濃厚なみかんに感じらます。
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【糖度について】 温州ミカンで14度と言えば、かなりの甘さ。当店の越冬完熟みかんに匹敵するほどの高糖度ですが、しかし、酸が強い場合はそれほど甘く感じることはありません。(実はレモンもイチゴと同じ程度の糖度があります。でもレモンの場合は、酸が強いため甘く感じることはできません)
3月の南津海は、酸味があり丁度11月の温州みかんに近い味でしたが、本格的に収穫し出荷が始まる4月後半にはバランスの良い味となります。 |
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南津海の花が咲くのは5月です。柑橘類はどの品種もほぼ同じ、桜の開花から約1ヶ月遅れで5月頃に花を咲かせます。それから半年もすると温州みかんなどの収穫が始まりますが、南津海は温州みかんに遅れること5ヶ月、開花から1年を掛け、ようやく収穫の時を迎えます。
5月は開花時期と収穫期が重なり、花が咲いている同じ木で収穫が行われるというめずらしい柑橘です。
そして、このみかんの収穫は、いっぺんには行われません。果実の大きなものから順に収穫を行っていきます。
小さい南津海は、大きな南津海に比べ成熟が遅れる傾向にあるからです。 |
南津海は毎年このサイクルで、きちんと果実を実らせてくれます。温州ミカンでは考えられないことです。
温州ミカンの宮川早生なども越冬させる事がありますが、そうして収穫された木には相当なストレスが掛かるため、翌年の収穫は見込めません。
みかんの収穫は、できるだけ早い方が、木への負担も少なく、野鳥や獣の害なども少なくて済みます。ですがこのミカンはそれを許してくれません。
その代わり、春には熟々の高糖度なミカンとなってくれます。 |
【保存方法】 4月以降は気温も湿度も上がってまいります。商品到着後は直射日光・密封を避け、通気性の良い冷暗所で保管をお願い致します。気温や湿度が高い場合は、冷蔵庫の野菜室や、ビニールや新聞紙に包んで冷蔵庫で保存して頂くのも有効です。外皮が柔らかくなっているものから、なるべくお早めにお召し上がり下さい。 |
【南津海の栽培】
こちらの畑も山の高台にありました。吉田町のみかん畑は山にあることが多く、そこへ上がる道は車1台がようやく通れる様な細い農道で、ガードレールもなく、案内されなければ決して行き着けないような入り組んだ道の先にあります。こちらも景色の良いミカン畑です。
畑にはネットを掛けてありました。南津海は収穫がどのミカンよりも遅いことと、糖度も高く(酸味もありますが)、外皮が薄く、動物に狙われやすいそうです。たぬきやハクビシン、カラス、ヒヨドリなどが主な害獣です。
南津海の収穫前に、新芽が出始めています。4月末頃は酸味が強いのですが、5月の連休頃にはまた一段と美味しくなる品種だそうです。
南津海はみかんの様に手で皮を剥いて内皮も食べれます。果肉は柔かくジューシーで高糖度。極早生みかんに近い後味のすっきりとしたミカン、糖度も酸味も強いみかんです。
「カラマンダリン」と「南津海」 カラマンダリンと南津海は正確には別品種となります。南津海はカラマンダリンと吉浦
ポンカンを掛け合わせた山口県で生まれた品種です。しかし、生産者間では味も見た目も変わらないため、カラマンダリンと南津海を区別はしていないとの事で、市場に出回っているものの中にはカラマンダリンを南津海と呼んでいる場合があります。
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